東京医科歯科大では、加齢による薄毛の原因の一つとして、17型コラーゲンの減少によるものという研究を発表しました。これは、毛を作るのに必要な毛包幹細胞を保護するタンパク質である17型コラーゲンが、加齢にともなって減少し、毛穴から毛包幹細胞が、毛穴の奥から皮膚の表面へと移動して、フケとして落ちてしまうというもので、17型コラーゲンが減少することで、髪の毛を生成する毛包幹細胞が保護できなくなり、その結果毛が生えなくなるというものです。髪に関係するコラーゲンは、外から摂取することはできないため、体内で増やす必要があります。その方法としてビタミンCがあります。ただ、人間は、日々ストレスや紫外線、飲酒等の外的な要因によって、体内に活性酸素を発生させていますが、この活性酸素を消化するために、体内のアミノ酸やビタミンCが使われてしまい、髪にまで栄養が回らなくなり、薄毛になってしまいます。
コラーゲンと聞くと、肌のハリを保つために重要な成分というイメージが強いかもしれませんが、コラーゲンは頭皮や髪にもうれしい成分といえます。皮膚の核となる真皮層は、多くがコラーゲンで作られています。このコラーゲンは、肌の柔軟性や弾力性を保っていますが、20歳をピークにその量は減少し始めてしまいます。この減少してしまったコラーゲンを補うことで、頭皮環境を良好に保ち、新陳代謝が活発になり、髪の毛も太く丈夫になることが期待できると考えられています。また、肌の新陳代謝が活発になることで、血行も促進し、髪にとって必要な栄養分が髪に行き渡るようになります。今回注目されている17型コラーゲンは、発毛を司る毛包幹細胞の働きを支えているもので、このコラーゲンが減少すると、髪の成長が弱体化してしまい、髪自体が抜けてしまいます。AGAは、男性ホルモンが大きく関係しているといわれていますが、それ以外にも、ストレスや生活習慣などさまざまな要因が複雑に関係しているとも考えられていますから、AGAによる薄毛にも、コラーゲン摂取が効果的といえます。
抜け毛を防ぐことが期待されるコラーゲンですが、ただ食事で摂取しても、分解されてしまいきちんと吸収されなかったり、過剰摂取すれば体に害がでることもありますから、正しい摂取方法を知ることが大切です。コラーゲンを効果的に摂取するには、ビタミンCが必要となります。ビタミンCは、コラーゲンが生成される時には、補酵素として働きますから、積極的に摂取するとよいでしょう。また、体内で作られないアミノ酸であるトリプトファンと一緒に摂取することで、バランスよく摂取することが可能です。また、食事でコラーゲンを摂っていても、体内で分解されてしまうため、効果があまり期待できません。そのため、低分子化して、水に溶けやすくすることで体内に吸収しやすくしたコラーゲンペプチドを摂取することで、より高い効果を期待することができます。AGAは、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが引き金となって起こると考えられていますから、栄養素を摂取下からといって根本的な解決にはならないかもしれません。ただ、コラーゲン不足によって、肌の状態が悪化してしまい、健康的な髪の毛が生成できなくなっても、髪が細くなったり抜けてしまいますから、栄養素をきちんと頭皮に届けることも抜け毛予防には重要です。頭皮環境を保つには、コラーゲンを摂取することが効果的ですが、毎日の食事で必要な量のコラーゲンを取り入れるのは難しいという場合には、サプリメントで摂取するのも一つの方法です。加齢に伴う老化によって、明らかに抜け毛が進行している場合には、コラーゲンを摂取して、毛包を死滅させないようにくい止める必要があります。
